目次
はじめに
日本では、感染症危機に迅速に対応するための国家戦略として、
「100日ミッション」と「SCARDA事業」が進められています。
一方で、その中核であるワクチン開発の多くは、
現在も動物実験を前提に進められています。
本記事では、SCARDAの概要と、そこに潜む構造的課題を整理します。
SCARDAとは
SCARDA(先進的研究開発戦略センター)は、
AMED(日本医療研究開発機構)内に設置された組織で、
「感染症発生から100日以内にワクチンを実用化する」
という国家目標を掲げています。
何が行われているのか
SCARDAでは、
- 新規ワクチンプラットフォームの開発
- 国内製造体制の構築
- モダリティ統合(mRNA、ベクター等)
が支援されています。
多くの研究では、
- マウス
- フェレット
- サル
などが用いられています。
公募と巨額予算
令和7年度のSCARDA事業では、
- 1案件あたり数十億円規模
- 長期支援型の研究体制
が組まれています。
研究は大学・製薬企業・国立研究機関が連携して行われます。
課題:代替法が主軸に据えられていない
現在の問題点は明確です。
主な問題:
- 動物実験は「前提」として設計されている
- 代替法は補助的位置
- 削減目標が明示されていない
- 動物福祉指標が存在しない
結果として、
「スピード重視」
「成果主義」
が優先され、倫理は後回しになりやすい構造があります。
国際的な流れとのズレ
欧米では、
- 動物を使わない毒性試験
- ヒト細胞モデル
- AI予測モデル
が政策主導で進められています。
日本も名目上は3Rを掲げていますが、
実際の研究設計に反映されていないという課題があります。
求められる転換
今後必要なのは、
✅ 代替法を「原則」に据える
✅ 公的資金の配分基準を変える
✅ 動物数削減目標を公表する
✅ 成果と同時に倫理指標を導入する
といった改革です。
まとめ
SCARDAは重要な戦略である一方、
「科学と倫理の両立」が問われています。
感染症対策は、
動物を犠牲にする以外の方法でも実現可能です。

