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伊藤ハム株主総会2024|動物福祉に関する質問と回答まとめ

伊藤ハム株主総会

2024年の伊藤ハム株主総会では、動物福祉への取り組みについて質問し回答をいただくことができました。

目次

伊藤ハム株主総会と動物福祉。質問の要旨、回答の要旨

伊藤ハム米久ホールディングスグループの養豚場において、現在どの程度の母豚が妊娠ストールを使用しているのか。 

自社農場のうち、13%がフリーストールである。今後については、結果を見ながら検討していく。

現在13%にとどまっているフリーストールの導入率について、何年後に何%にするという具体的な目標はあるのか(例:3年後、5年後など)。

現時点では、数値目標は設定していない。

十和田ミートプラントを含め、伊藤ハム米久ホールディングスグループが運営するすべての屠畜場において、家畜が常時飲水できる設備が設置されているか。

十和田ミートプラントを含め、すべての屠畜場において飲水設備が設置されている。

※なお、公式サイトではサンキョーミート、IHミートパッカーにおける取り組みは掲載されていましたが、十和田ミートプラントなど、他の施設に関する記載は確認できませんでした。

日本ハムは妊娠ストールの全廃期限を設定しているため、伊藤ハム米久グループにおいても廃止期限の設定をしてほしい。

現時点では試験段階であり、現在導入しているフリーストールの結果を見ながら検討していく。

成長投資として公表されている2,000億円のうち、より多くの予算を動物福祉の改善に充ててほしい。

畜産事業を拡大していく中で、アニマルウェルフェアへの対応はこれまで以上に重要になると考えているが、具体的な金額は現時点では示せない。

過去に明らかになった重大事案

伊藤ハムの米国関連企業において、深刻な動物虐待が発覚し、2013年7月に有罪判決を受けました。
罰金刑および30日間の服役、6か月の保護観察処分が科されています。

この件については、伊藤ハム公式サイトでも言及されています。

詳細は伊藤ハム内部告発|動物虐待と企業の対応

考察

今回のやり取りで明らかになった最も重要なポイントは、「13%がフリーストール」という数字が示された一方で、その先の期限や数値目標が一切示されなかったという点です。

動物福祉の取り組みは「検討中」や「試験段階」という表現だけでは、その実効性を評価することができません。特に妊娠ストールは国際的に問題視されており、多くの企業が期限付きでの廃止を公表しています。その中で、導入率が1割強にとどまり、かつ目標設定もない現状は、同業他社と比較しても対応が遅れている印象を否めません。

また、飲水設備については「すべての屠畜場に設置されている」との回答がありましたが、公式サイトでの情報開示が一部施設に限られていることから、企業側の説明責任としては十分とは言えません。情報があるのに書かれていないのか、実態にばらつきがあるのか、いずれにしても改善の余地があります。

動物福祉への投資についても、「重要である」という姿勢は示されたものの、具体的な予算配分や計画は示されておらず、意識表明の域を出ていないのが現状です。

加えて、過去に海外で重大な動物虐待事件が発覚していたことを踏まえると、同社にとってアニマルウェルフェアは「理念」ではなく、明確な経営リスク管理の問題として扱われるべき課題であることが浮き彫りになります。


今後の論点

今後の対話において、特に重要となる論点は以下です。

  • フリーストール導入率をいつまでに、何%まで引き上げるのか
  • 妊娠ストールを全廃する意思があるのか
  • 動物福祉への投資に対し、予算枠や計画が設定されるのか
  • 屠畜場の温湿度管理・飲水設備などについて、全施設の情報開示を行うのか
  • 海外での不祥事を受けて、社内監査体制や調達基準がどう改善されたのか

単なる理念表明ではなく、「期限」「数値」「責任部署」を伴った方針が示されるかどうかが、今後の注目点となります。

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