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BBFAW 2024が示す世界の畜産動物福祉と“大西洋ギャップ”

家畜のシルエット
目次

BBFAWとは何か

BBFAW(Business Benchmark on Farm Animal Welfare)は、世界の大手食品企業の畜産動物福祉への取り組みを毎年評価・公表しているベンチマーク・プログラムです。
企業の方針、ガバナンス、目標、実際の福祉パフォーマンス、そして動物性食品への依存低減という5つの柱を支える51の評価基準に基づき、150社を6つのティア(Tier1〜6)とA〜Fのインパクト・レーティングで格付けしています。ただし2024年版ではTier1に企業は存在せず、最上位はTier2です。

2024年版の全体傾向

2024年版では、全体としては小幅ながらも動物福祉の改善が進んでいると評価されています。
ただし、150社中118社(約79%)が下位のTier5・6にとどまり、動物福祉を十分に管理している証拠が限定的であることが大きな課題として指摘されています。

リーダー企業と改善事例

相対的に評価が高い企業(Tier2)としては、グレッグス(Greggs)、マークス&スペンサー(Marks & Spencer)、プレミアフーズ(Premier Foods)、ウェイトローズ(Waitrose)などが挙げられ、これらはTier2に位置づけられています。
インパクト・レーティングでは、マークス&スペンサー、プレミアフーズ、ニュージーランドの乳業大手フォンテラ(Fonterra)が、実際の福祉改善実績に基づき「B」評価を獲得したと報告されています。

地域ごとの特徴と「大西洋ギャップ」

地域別に見ると、英国企業が平均スコア41%で上位ティアをほぼ独占しており、すべての柱で最も高いパフォーマンスを示しています。
一方で北米企業は平均スコア12%にとどまり、米国を中心とする北米のほぼすべての企業がTier5・6に集中していることから、プレスリリースでは「大西洋ギャップ(Atlantic Gap)」として懸念が表明されています。

具体的なテーマ別の進捗

2024年版では、以下のようなテーマ別の動向も示されています。

  • 感覚ある存在としての認識:企業の約45%が、家畜をセンシェント(感覚ある存在)として明示的に認めるようになっています。
  • 抗生物質使用:予防的・routineな抗生物質使用の段階的廃止を約束している企業は全体の42%にとどまり、薬剤耐性リスクへの対応が不十分だとされています。

また、豚の妊娠ストール廃止、乳牛の繋ぎ飼い廃止、採卵鶏のケージフリー化、ブロイラーの高福祉基準(Better Chicken Commitmentなど)への対応状況についても、目標設定や達成状況には大きなばらつきがあることが示されています。

動物性食品依存の低減と投資家の役割

BBFAWは、動物福祉だけでなく、肉・乳・卵など動物性食品への依存をどのように減らしていくかも重要指標の一つとしています。
2024年版では、約29%の企業が、動物性食品への依存低減をビジネス上の課題として認識しており、一部企業は植物由来たんぱく質や高福祉製品へのシフトを進めているとされています。

さらに、BBFAWは約2.4兆ドル規模の資産を運用する機関投資家の連携によって支えられており、これらの投資家はベンチマーク結果をもとに企業とのエンゲージメントを行うことで、動物福祉の改善やサプライチェーンのリスク低減を後押ししています。


【出典一覧】
(*1)BBFAW “FOOD INDUSTRY BENCHMARK REVEALS ANIMAL WELFARE LEADERS AMONG 150 GLOBAL FOOD COMPANIES(Press Release, 27 March 2025)”, 全文(特に “Company Tier Rankings and Impact Ratings”, “Geographic diversity”, “Other findings in this year’s BBFAW include” 見出し)
URL:https://www.bbfaw.com/media/2187/bbfaw-2024-press-release_final.pdf

関連報道記事:
【アジア太平洋地域】食品業界の動物福祉ランキング、世界150社からリーダー企業が明らかに
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000143458.html

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