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プリマハム株主総会2022|妊娠ストールは廃止されるのか

プリマハム株主総会
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2022年 プリマハム株主総会での質問の要旨、回答の要旨

2022年のプリマハム株主総会では、妊娠ストール廃止と動物福祉を重要な論点とし質問しました。

すべての養豚場において、妊娠ストールを完全に廃止する具体的な期限や目標はあるのでしょうか。

現時点で、全養豚場における妊娠ストールの全廃について、具体的な数値目標や期限は設定していません。現在は、鹿児島の黒豚農場でフリーストールを導入しており、宮城県でも導入を予定しています。

ただし、フリーストールの導入には、豚舎の広さや施設構造の制約があり、既存施設の拡張は容易ではないため、期限を設けた実施には至っていません。今後は、可能な範囲で随時導入を進めていくという方針です。

宮城県での新農場については、以下に情報が掲載されています。https://www.primaham.co.jp/sustainability/materiality/materiality6.html

中長期計画に掲げられている「植物肉市場の開拓」について、売上高などの具体的な数値目標は設定しているのでしょうか。

現時点では、具体的な売上目標や数値目標は設定していません。

昨年、同業の日本ハムの養豚場で、豚をたたきつけたり、生きた状態での廃棄などの虐待がネット上で広まった。
同業者である日本ハムでは、2030年度末までに国内全農場にて妊娠ストールを廃止すると発表しているが、貴社では農場で動物虐待が起こっていないことを監視できるような体制を持っているか。

AIカメラを使って豚のデータをとる取組は行っている。

監視カメラについて(補足情報)

農業に詳しい関係者の話として、次のような補足情報があります。
映像データは主に豚の健康状態の解析に使われるが、人が映像を常時確認して虐待の有無を監視しているわけではない。
監視カメラは主に豚房(ペン)内を撮影するものであり、人が豚を扱う通路や保温箱、屋外は必ずしも撮影対象ではない。
防疫の観点から、人が豚房に入らない運用が基本である

考察

本総会における最大の論点は、「導入している」と「全廃する」の間の距離が極めて大きい点です。
鹿児島でのフリーストール導入や、宮城での新規設置は前向きな動きである一方で、「いつまでに」「何割を」という具体的なロードマップが示されていませんでした。

「随時導入」という表現は、意欲の表明でもありますが、同時に実施時期を確定しないことも意味します。この状態では、企業の取り組みを進行中の改革として評価することが難しく、実際には現状維持に近い状態であると受け取られても仕方がありません。

植物肉事業についても、テーマとしては将来性のある分野であるにもかかわらず、売上目標の設定がないことから、当時は実験的・探索的なフェーズにとどまっていたと推察されます。企業戦略としての本気度という点では、まだ限定的だった可能性があります。

また、監視カメラについての補足情報から、「監視」と「可視化」は別物であることが見えてきます。
監視カメラが設置されていても、それが「虐待防止」として機能しているかどうかは、運用次第です。映像を誰が、どの頻度で確認しているのか、異常があった場合の対応フローがあるのかが示されなければ、実効性は担保されません。


今後の論点

今後、プリマハムとの対話で重要となる論点は、次の点です。

  • 妊娠ストールをいつまでに、どの程度まで廃止するのかという数値目標
  • 新規農場だけでなく、既存農場をどう改善するのかという具体策
  • 植物肉事業を、単なる試験ではなく事業戦略としてどう位置づけるのか
  • 監視カメラの映像が、実際に虐待防止に活用されているのか
  • 異常が確認された場合の、是正手順や責任体制の明確化

妊娠ストール問題は、設備の話であると同時に、経営の優先順位の問題でもあります。
今後、プリマハムが「導入事例」から「方針と期限の明示」へと進めるかどうかが、評価の分かれ目になります。

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